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#宗教施設

盆地である福知山は、周囲を山並に囲まれ穏やかな景色を見渡すことができます。建物の屋根の山型の輪郭は、周囲に見える山並や街の家々の屋根に重なりあい溶け込むことで周囲の景観と一体化することを意図しました。
教会の建物は、通常祈りの場としての聖堂、祭儀以外の活動の場所である教会会館、そして司祭の住居である司祭館から成ります。司祭と信徒の皆さんとの関係がより緊密になるよう、その3つのスペースを一つの建物の中にまとめ、それらをつなぐ内部広場的なロビー空間を設けました。ロビー空間は教会会館とも聖堂ともつなぐことができ、それぞれの領域を柔軟に広げることができます。2階に設けられた司祭館に信者が気軽に訪れることができるよう、ロビー空間と連続する司祭執務室を設けています。
建物はメインの空間を支える連続する壁柱の上にRCシェル構造の二つの山型が載ります。大きいほうの山型は聖堂のスペース全体を。小さい方の山型は教会会館と司祭館を覆います。メインの空間の両側に小聖堂、聖具室、教会事務室、委員会室など付属する機能空間が配置されています。聖堂の空間には構造がそのまま表され、コンクリート打ち放しの壁柱の間に下層はタモ材の木質の仕上げ材が貼られ、上層にはアルミサッシがはめ込ます。適切な光量に調節するために室内側にアルミのルーバーが設置され、ミサの執り行われる内陣の明るさを強調するために聖堂後部から内陣の手前まで連続的にルーバーの角度を変化させています。シェル構造の屋根による形状は上昇感を強調し大いなる存在を感じ得る空間を目指しています。

DATA

所在地 京都府福知山市
主要用途 教会
構造・構法 鉄筋コンクリート造
階数 地上2階
敷地面積 1,188.51m2
建築面積 638.88m2
延床面積 711.43m2
設計担当 岩田恵
構造設計 KAP
設備設計 リサーチ&デザイン設備事務所
施工会社 藤木工務店
撮影 小川重雄
竣工 2015年1月
備考 内陣設計指導、家具・ステンドグラスデザイン:師イエズス修道女会 Sr.北爪悦子様

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