大阪市内の住宅地に建つ戸建て住宅である。

敷地面積が122m²であるのに対し2台の駐車スペースをビルトインで計画することが求められたため、建物は地上3階建ての計画とし、2台分の駐車場の間口を無柱で確保できるSE構法（木造ラーメン構法）を採用した。

東面の前面道路幅は7.27mと広いが、3面は隣地に囲まれている。
現在は貸駐車場として使われている南面隣地からも将来にわたっての採光は期待できないため、東面道路からの採光をメインとして計画することとした。

採光を取るための東面の大きな開口部は道路に接しているため、外からの視線をコントロールする緩衝スペースでかつ庭に替わる外部スペースとなるよう２、３階には奥行の深いバルコニーを設けた。
ファサード面にSE構法の柱を設けることで、バルコニーの出を支えるとともに特徴的な建物の構造構成を表現している。

１階には駐車場と広めの玄関スペース、客室（和室）、書斎とし、日常生活のメインとなるスペースは２、３階に設けることとした。
２階のLDKと３階の寝室、子供室とはリビングの吹き抜け内の階段を通って行き来することで家族のコミュニケーションが取りやすい動線計画としている。
断熱効率の良い吹付断熱材の使用とともに１階の玄関には深夜電力を利用した蓄熱暖房機を設け、暖気が階段と吹き抜けを通して２、３階にも行きわたる省エネルギー性能の向上に配慮した。